終身雇用の企業側メリットとは?
終身雇用の企業側から見たメリットと言えば、
① 愛社精神を育むことができる
② 長期的な視点で人事戦略を立てる
といったことができるということです。
一般的な企業で歩む道としては、
新卒一括採用 → ジョブローテーションで色々な職種を経験
→ 企業内で必要なノウハウを獲得 → 年功序列で出世していく
といった流れでしょうか?
「企業内で必要なノウハウ」と言えば聞こえが良いですが、
企業内部の人脈であるとかその会社でしか通用しないルール・事務処理とか、
会社外では役に立たないものが多いです。
私が転職して苦労したのもこの点ですね。
社内でしか通用しない「専門用語」を覚えなければいけなかったり、
会計処理上正しいのに、この会社ではこうしなければいけないとか、
汎用的でない知識を身につけなければいけないのは苦痛でした。
しかしながら、こういったムラ社会の掟のようなものを共有することによる一体感、
それは確かにあったような気がしますね。
私が最後まで馴染めなかった部分でもありますが、
この愛社精神的なものも終身雇用のメリットであったかと思います。
また、営業一筋だった人材が管理部門も見て行け!
と言わんばかりに企画部門に異動したりするのも終身雇用前提ですね。
将来的にお偉くなる方にはこういうのも必要だというのが経営側の認識なんでしょう。
経営側の思惑通り行かないのでは?
終身雇用制が崩壊すれば、「愛社精神」的なものも消えるでしょうね。
会社にいるのも「今たまたま」この会社にいるだけですからね。
また、終身雇用を見据えた人事ローテーションも消えてなくなるでしょう。
愛社精神の欠片もないような社員相手に今の経営陣がうまくマネージできるか?
優秀な人材が辞めてすぐ代わりを補充できるか?
この辺をきちんと考えているのか気になるところです。
私が終身雇用崩壊の議論でいつも疑問に思っているのは、
終身雇用制の企業側のメリットがフォーカスされないことですね。
何か、不要な人材も養ってやっているんだ!みたいな上から目線を感じます。
確かに不要な人材を養ってきたという一面もあるでしょうが、
優秀な人材を安く使ってきたという一面もあるかと思います。
雇用が流動化すれば優秀な人材が出ていくリスクもあるし、
引き留めるにはそれなりの給与を払わなければ!
なんてことを考えると、格差は拡大するけど総人件費は
それほど下がらないかもしれません。
まあ、終身雇用制後のロードマップ的なものが
経団連から出るのかどうかわかりませんが、
いつでも会社を辞められる準備だけはしておく必要がある時代が到来しそうですね。
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