"警察の階級 - 古野まほろ著"の読書感想
「警察の階級」という古野まほろ氏の書いた本を読みました。
推理小説や刑事ドラマを見るのに役立つかな?と思って読みましたが、
流石に警察の組織というのはよく考えられて出来ており、
指揮命令系統がしっかりと整えられているな!
というのが第一の感想です。
警察の階級は9つあり、これに巡査長(階級としては巡査)と
警察庁長官(階級をもたない)を加えた11の階級等について説明してありますが、
それぞれの職務権限・年収・何歳でなれるのか?等々
普段接することのない情報を目にして興味深かったです。
所属長にだけは絶対にしてはならない
民間企業出身の自分からみて一番印象的だったのは、
「警視」の項目について書かれていた章です。
警視と言えば、巡査・巡査長・巡査部長・警部補・警部の上に位置する階級で、
所属長(警察署長とか警察本部の課長)になることができます。
従って警視を選考するには極めて慎重にする必要があり、
そのポイントは以下のように述べられています。
"一国一城の主が暴君であったりバカ殿であったりしては、時に300名以上に及ぶ部下職員が悲惨なことになります(治安に与える影響も甚大です)。よって、この試験なり選考なりにおいては、誰を合格させるか決めるというよりも、あるいは合格率をどうするかというよりも、『所属長にだけは絶対にしてはならない』不適格者を確実に排除することが重要となってきます。(p142)"
この辺は流石に治安を司る警察と言ったところです。
それでは民間企業の支社長とか本部長とかはどうか?
個人的な経験では、かなりの確率で、
「所属長にしてはいけない」人が混ざっているんじゃないかな?
私がぱっと思い出したのは、
諸突猛進の営業スタイルで成績を上げて営業現場トップに昇進、
その後すぐに部下が次々と辞めていった人のケースとかですかね?
この人は営業成績が良いことを鼻にかけ、
後輩を露骨にバカにすることから、
ほぼ全社員から嫌われていました。
私ならこの人の部下になった瞬間辞めてたと思いますが、
「営業成績」を中心に評価を下すとこういうことになるわけです。
有名な警視監は?
本書の各階級の説明の後には、
それぞれの階級で有名な人の例が挙げられています。
巡査長だったら、あの有名なマンガの主人公とか。
これがなかなかオモシロくて、
大体は納得できるものでしたが、
警視監で有名なのは「浅見光彦シリーズ」の
浅見陽一郎・刑事局長ではないかと個人的に思いました。
先鋭的な人はダメだということかあ
返信削除民間は結構好みそうだなあ
ある程度の人格者しかダメということではないでしょうか?
削除民間はこのポイントが軽視されがちですが。
お答えします。
返信削除警視承認について言えば、どーしてこの人が?
という方が、何年も足踏みすることがあります。
畑(警備とか、刑事とか、交通とか)から
年度に何人という線で数名が横並びにいるような
場合に発生する「どうしてならへんの?」です。
最終的に「線が細い」とか言われて落ちるのは、
警部補試験でのあるあるです。
そう考えますと、警察も民間企業と変わらない面が多いですね。
削除巡り合わせみたいなものに左右される要素は大きそうです。