77歳で年金が月1.6万円
色々とつっこみどころが満載の記事ですが、
老後の生活スタイルを考える上では参考になると思った記事がこちらです。
77歳で年金が月1.6万円、時給1,280円で働いている方の話です。
"給与が月16万円。手取りにすると13万円ほど。さらに年金を加えると、月15万円弱を手にしている丸山さん。生きていくには十分だといいますが、何かあったときのことを考えて普段は可能な限り節約して暮らしています。“ほぼお湯の雑炊”をすすっているのはそのため。” (引用元) 「好きに生きてきた罰です。」時給1,280円・日雇いバイトの77歳男性、味のない雑炊をすする極貧生活。思わず耳を疑う「年金受取額」"
月15万円も手取りがあるというのに、
ほぼお湯の雑炊を日々すするというのは一見するとありえない話です。
77歳で老後に備えて貯金
この記事は色々大事な事が抜け落ちているので、
推測を含めてこちらで補足する必要があります。
まずは労働サイドですが、
・ビル清掃業で7時~9時
・宅配物の仕分け・検品が10時から
・給与は月16万円、時給は1,280円
とありますので、総労働時間は125時間となり、
月20日働くとすると1日に働く時間は6.25時間なので、
宅配物仕分けは14時頃まで(昼休憩1時間あれば15時までか?)とわかります。
いくら元気と言ってもかなりきつい労働ですね。
そして重要なのが、支出サイドの問題です。
月15万円の手取りをすべて支出に回していれば、
節約系セミリタイア生活者より遥かに良い生活なので、
「ほぼお湯の雑炊」を日々すすることにはなりません。
となれば、77歳にして、給料のかなりの部分を「老後の為に」貯金に回して、
食費はそれこそ月に1万円以下にしている可能性が高いです。
この辺りの支出内訳が一切ないなかで、
いきなり「ほぼお湯の雑炊」などと出てくるので記事の説得力がなくなります。
例えば、70歳で貯金ゼロの時点で老後を考え始めて、
手取り15万円のうち10万円を貯蓄に回せば、
年間120万円、10年間で1,200万円貯めることができます。
80歳で引退、ここからは資産を取り崩す生活をするとして、
また、これからは”少々贅沢”をして月10万円で暮らすとすれば、
90歳まで生き残れますし、
引き続き月5万円の生活ならば100歳まで生き残れます。
これは私が即席で考えたプランであって、
恐らくは全然違うとは思いますが、
この方がこれからどういうビジョンで生活しているのか?
ここが一番重要なところじゃないかな?と思いますので、
この辺りも掲載してもらいたかったところです。
最悪、年金だけも暮らせることが重要
この方のケースは年金が月1.6万円と極端ではありますが、
長生きリスクを考えますと、
やはり最悪、年金だけも暮らせる程度の受給額は欲しいところかな?
とは改めて思いますね。
例えば、月10万円程度は年金をあてにして、
月10万円は資産運用 and/or 資産取り崩しで月20万円で暮らす、
そして最悪、資産が大暴落 and/or 長生きで資産枯渇、
それでも年金10万円で何とか暮らせるのでセーフ!という感じです。
まあ、年金をそもそも信用していない方には説得力はないですが、
私の今現在の基本戦略はこんなところになります。
自分は、年金がなくてもなんとかやっていけるだけの資産計画が出来た時点でFIREを決断できました。今後年金の改悪が予想されますし、インフレの恐れなどもありそのくらいの余裕がないと安心できないと思ったので。
返信削除年金制度改悪やインフレなど、ここに来て不安要素が大きくなったのは確かですね。私は今のところは年金込みのプランですが、更なる年金改悪があれば、消費行動を変える必要があるかもしれません。
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