橘玲氏の著書を読む
橘玲さんの マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください を読みました。
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』など橘玲さんの主張のエッセンスが、
マンガ形式で分かりやすくまとめられているので、
著者の理論に興味はあるけど本を読むのは面倒だな~...
という方にはお勧めできます。
マンガなのでサクッと読めます。
本書の投資についてのエッセンスについては同意するところ大なのですが、
実際にセミリタイアした身からすると?と思う内容もあって、
それは下記の文章に集約されています。
"「人生100年時代」に60歳で定年退職してしまえば、残りの人生は40年もある。20歳から60歳まで40年間働いて積み立てたお金で、残りの40年間を「悠々自適」に暮らすことなどできるはずはないのだから、これからの時代は”生涯現役”になるほかはないし、日本に先行する欧米ではすでにそのような社会に変わりつつある。(マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください p153) "
果たしてこれは本当なのかについて考えてみたいと思います。
60歳で会社を辞めるハードルは高くない
本書が推薦するような手数料が安いインデックスファンドを、
20歳の頃からコツコツとドルコスト平均法で積み上げていけば、
60歳になることにはそれなりの資産が積み上がっているのでは?
という風に考えられます。
問題は、給与水準、支出水準、投資に回す金額がいくらか?
この辺りの方程式次第であって、
それなりの給与を貰って支出を抑えて、
そこそこ投資に回せるのであれば、
60歳で会社を辞めるのはハードルはそれほど高くないかと思います。
従って、「生涯現役になるほかはない」と言うのは、
やや乱暴な意見なのではないかと思いました。
ただこの点については「悠々自適」というのが一つのキーワードかもしれません。
セミリタイア界隈での主流の「貧乏節約生活」というのは、
「悠々自適」とは程遠い概念であって、
例えば、月の支出が家賃1万円 & 食費1万円だったら、
そりゃ30歳~40歳でも会社を辞められるでしょうけど、
誰がそんな生活をしたいと思うんだ??
それは悠々自適でも何でもないだろ!
というのが世間一般の見方かと思います。
いわゆる「収入に見合った生活」と言うのをすれば、
やはり老後資金は不足するしかない!
という前提が省略されているのでは?
そんな風に解釈しました。
「好きを仕事に」は極めて難しい
また本書は、
" 経済的独立を達成し、嫌な仕事はさっさと辞めよう!(同 p2)"
という文章からスタートしており、
早期退職を推奨しているのかと思いきや、
アーリーリタイアした人の多くが仕事に戻ってきた、
なぜなら、"毎日が退屈すぎて張り合いがないから(同 p3)"と述べています。
アーリーリタイアを目指すのは今の仕事が好きではないから、
という著者の主張には同意しますが、
「経済的自立」を達成して嫌いな仕事を辞めて
「好きを仕事に」が理想という主張は、
もの凄くハードルが高いと思います。
「好きを仕事に」の難しさについての意見は別途まとめる予定ですが、
好きを仕事にするよりは、退屈なアーリーリタイア生活を、
楽しいバラ色の生活にする方が遥かに簡単だというのが、
私の考えとだけは言っておきたいと思います。
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