パナソニック社長の話に違和感
大規模リストラで日本に衝撃を与えたパナソニックですが、
下記の社長の話にちょっと違和感を覚えました。
"パナソニックHDは今月9日、経営改革の一環としてグループ人員を1万人削減すると発表。楠見社長は記者会見でこう語り、人員の「余剰感」を強調した。
「人の数が仕事に対して少し余裕があるとなると生産性を高めるための創意工夫も起きない。人員は少し足りないというぐらいがちょうどよくって、その中で生産性を上げる努力をして人が成長する」” (引用元) 仕事は最低限に、定時で帰る…日本でも広まる「静かな退職」 専門家「選択肢必要」"
この手の発言は、私がサラリーマン時代に勤めていた会社でも聞かれましたが、
ちょっと違うよな~と常々思っていました。
特に、私が所属していた管理部門というのは、
直接利益を生み出すわけでもないので、
標的になりがちでした。
押し付けられる仕事だけで限界...
「人員は少し足りないぐらいというぐらい」と言いますが、
現実問題としては、慢性的に人出不足という職場が多いと思います。
私が所属していた管理部門では、
膨大な資料が要求されることがその主因で、
押し付けられる仕事だけで定時は余裕で超えるわけで、
どこに創意工夫の余地があるんだろう...と思わざるをえません。
ただ、経営陣としてはまだまだ余裕があると思っているらしく、
管理部門から営業部門への配置転換みたいなことは時々行われていましたね。
生産性が低い理由は経営陣
上記発言は「日本の生産性が低い」という流れで引用されており、
それを経営陣が悩むという文脈ですが、
普通に考えれば、それって経営者のせいでは?と私なんかは思ってしまいます。
ただ、優秀な現場スタッフとして働き、
無駄な資料作りが多いことを嘆いていた人でも、
自分が偉くなったら同じようなことをやっているのを見ると、
こういった構造的・制度的なものを変えるのは困難だというのはわかります。
いずれにしましても、
人手が足りないところに人員が余っているとか言われて、
創意工夫の余地がないくらいあれやこれやと細かい指示をされるのに、
創意工夫でお前らが何とかしろ!みたいに言われる環境では、
労働意欲をそがれるのは間違いないところだと個人的には思います。
この辺りを考えますと、
早期退職に踏み切ったのは間違いではなかったのを改めて実感しますね。
日本の会社の場合、出世するのは仕事の効率化のため仕事を減らした人ではなくて、膨大な非効率作業を猛烈に働いてこなした人ですから、経営陣に効率化を実行できる人がいないのは当然です。
返信削除基本的にはご指摘の通りかと思いますが、自分が偉くなったら無駄を排除するみたいに言っていた人まで同じようなことをするのは、流石にがっかりします。まあ実際、そこまで期待していたわけではないですが...
削除