資本主義の問題点を炙り出す
という侍留啓介さんが書かれた本を読みました。
タイトルから内容は脱力的な面白本か?と思って読み進めましたが、
資本主義を真面目に分析し、キャリアアップや努力し続けることの危うさ、
この辺りを上手く説明しており読み応えのある内容でした。
働かないおじさんは勝ち組?
後半には「働かないおじさん」についての考察もされており、
"「働かないおじさん」こそが、資本主義社会における「勝ち組」の一つのモデルなのではないだろうか。(p.223)”
と結論づけており、人生を楽しむと言う点から肯定的に 捉えているのは、
ある種の説得力はあるかとおもいます。
「ゴマすり」能力は重要かもしれないが...
そして、個人的な経験からも同意できる部分が大きかったのは、
「ゴマすり」に関する記述ですね。
筆者は外資系企業でも「男芸者」は重宝され、
例えば、土日に日本在住外国人と飲んでいる人は結構いる!
といった内容の事を述べています。
これは、短期間ですが外資系企業に籍を置いた身としても実感できます。
私の所属していた部署のトップは外国人でしたが、
No.2の日本人というのがまさにこのパターンの人でした。
公私とも、家族も総動員で外国人上司に尽くした結果勝ち取った地位と言う感じで、
ある意味ここまでやったのなら出世も当然!
みたいに周囲から思われていました。
重労働 & 無駄な努力の可能性大
しかしながら、サラリーマンとしてこの戦略というのは、
全くお勧めすることはできません。
第一に、このゴマすり行為は基本的に超重労働であることです。
アフターファイブはもちろん、土日まで自分の時間を差し出すわけで、
労働基準法違反並の拘束時間を強いられます。
第二は、こういった行動が無意味になる可能性が高いことです。
これについては、私の経験上は以下の2つがあります。
① 公私ともに尽くしているのに全く評価されない
② 外国人上司の失脚により努力が無駄に...
①は見ていて気の毒になりますが、結構見たパターンです。
②は外国人上司とあまりに近かった故に、
その外国人上司がクビになった巻き添えで、
閑職に追いやられその後自主退職したというのがありました。
まあ、私なんかはゴマすって出世するならしても良いですが、
上手いこと気に入られる自信が全くないので、
こういった行動とは無縁でしたね。
本書を読んだまとめ的には、
「働かないおじさん」として生き残るのも結局難易度が高いのを再認識、
それだったらFIREのがまだ可能性が高いかな?と言ったところです。

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外資系は上司が人事権も持っているので下手すると日本よりも上司にゴマすりが必要になるとは言われていました。ただし、リストラで上司がクビになることが多々あるのであまりゴマすりが報われなかった人が多い印象です。出世して日本支社長とかになる人は大概ゴマすりが出来てかつ売上の数字も作れる人だったと思いますが、給料が高いだけあって仕事漬けで大変そうでした。
返信削除外資系上司は人事権を持っているのがやはり大きいですね。私の部署は管理部門だったので、数字は関係なく、ゴマすりがひたすらモノを言う世界でした。
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