必要な人材はいつでも調達可能?
昨日も取り上げた坂本貴志さんの著書である、
もう一つ気になるテーマがありました。
それは、
"人口減少経済においては、次のような過去のレジームで経営を考える企業は容赦なく市場から淘汰されていくことになるだろう。(p.230)"
という箇所でいくつか挙げられている中で、
"「必要な人員は足りないときは労働市場からいくらでも調達することができる」(p.231)”
という例が取り上げられているところです。
人手不足の今でもこのような企業が存在することに驚きなのですが、
私の経験上からはこの手の企業は結構多く、
また、これには2つの大きな問題があると私は考えます。
優秀な人材がすぐ採用できるという謎の自信
まず第一に、必要な人材はいつでも取れる!という考えがナンセンスです。
特に優秀な人材と言うことに限れば、
それなりの厚遇でなければ来てくれません。
それなのに、
「ウチの会社が応募をすれば、いくらでも働きたい人はいるはずだ!」
という、謎の自信を持っている人は多かったです。
これは裏を返せば、昇給などをきちんとしなくて社員が会社を辞めるなら、
この給料で働きたいヤツはいくらでもいるはず!
ということに結び付いているかと思います。
それで本当に辞めて、同じ能力の人が取れるか?と言えば、
全然とれていないのが現実だったと記憶しています。
優秀な人材はすでにいるのに...
もう一つは、社内に優秀な人材は既にいるにもかかわらず、
よりポンコツな人材を新規で採用するという、
謎の行動に出る会社があるということです。
既存の社員で一度何らかの理由で×がついた場合、
再度浮上をするのは困難なケースが多いですが、
その社員より明らかにスペックが劣る人をとって、
それなりのポジションにつけるみたいなことをすると、
本人はもちろん、周りの士気も非常に落ちるわけですね。
状況は変わっているかもしれないが...
まあ、私がサラリーマンを辞めて既に8年以上経過しており、
人手不足はより深刻化しているので、
こういった事態は改善している可能性はあります。
ただ、本に書かれるということは、
そういった企業が今でも多いということなんでしょうね。
特に会社が良い時代を経験しているトップであれば、
この辺のマインドが変化する可能性は結構低いかも?
と思いますね。
本来、人手不足という状況であるならば、
既存社員の待遇を改善するであるとか、
再度、不遇な社員にチャンスを与えるという方向へ行くはずですが、
この辺は全く期待できないのかな?
この辺を改めて考えると、
世間で賃金上昇傾向がどうしたと言ったところで、
会社を辞めたのは正解だったと思うわけですね。
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不遇な人が再度チャンスを与えられる状況というのはそうとうやばい状況だろうからどのみち地獄かもしれない。
返信削除確かにそうですね。実力を再評価みたいなケースは少ないでしょうから。
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