人手不足時代に起こる事
坂本貴志さんのお書きになった本を読みました。
日本の経済の現状及び将来について、
人口減少というテーマから切り込んだ本です。
人出不足による賃金上昇といった現状分析、
慢性的な人出不足企業がどのような対応を行っているのか?
機械化や自動化で将来的にどの程度人手が減らせるのか?
など、データや取材に裏付けられた文章は興味深いものがありました。
高齢者の賃金が上昇しなかった理由
個人的に本書の中で最も興味深い分析というのは、
高齢者の賃金に関する分析ですね。
これまで女性や高齢者の賃金が上昇しなかったのは、
働いていない女性や高齢者が大量にいたので、
賃金を上げなくても労働市場に流れ込んでいる人はたくさんいたからというもの。
ところが、現在では多くの女性や高齢者が既に働いており、
新規供給も限られているから給料が上昇しているというもの。
なるほど、その通りではあるかと思います。
ただ、根本的な問題というのは、
老人は時給がいくらになろうが働けなる年齢が来ると言う事と、
時給がいくらになろうが働かない老人がいるということでしょう。
時給が上昇すれば高齢者は働くのか?
本書の例としては、定年後の仕事として、
時給800円なら働かず引退するけど、
時給1,200円ならしばらく働く人が増えると書いています。
確かに一般論的にはそうだとは思います。
ただ、現状の賃金上昇というのは、
そもそも働かないと生活できない高齢者で実際に働いている人を、
奪い合う形での賃金上昇という側面が強いように思えます。
なので、実際に働いていない高齢者が働きたくなる時給、
この辺のアンケート結果とかがあると面白いと思いました。
と言いますのも、働かないで生活できる高齢者であるならば、
例えば、時給1,000円が2,000円、いや3,000円になっても働かないよ!
という人が多いんじゃないかな?
というのを真先に思ったからです。
今の私でいうならば、どんなに頑張っても、
時給2,000円の仕事は見つからないと思いますが、
仮に見つかっても、その時給では働きたくないよな~
というのが率直な感想です。
そして、そういう「贅沢」「わがまま」が今言えるという意味で、
セミリタイア生活を目指して大正解だったと改めて思うわけです。

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欧米では、よほど気に行った仕事でない限り、60才くらいでリタイアしたらその後は仕事しないんですよね。外国人観光客が日本に来て、高齢者がたくさん働いているのを見て驚くと言う話も聞きます。
返信削除日本もお金があれば働きたくない高齢者は、一般的に考えらえている比率より多い気がしますね。
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