"年金2,000万円不足"の次は"貯蓄100万円未満問題"
「年金2,000万円不足」に続いて、「還暦貯蓄100万円未満」が話題になっています。
還暦迎える4人に1人の貯蓄は百万円未満 PGF生命アンケート
単身、または夫婦合計の貯蓄額を「100万円未満」と回答したのは
24・7%で前年の調査から約4ポイント増加。
次に多いのは「100万~300万円未満」で11・3%、
「500万~1千万円未満」が11・1%と続き、
2千万円未満が全体の3分の2を占めた。
一方、「1億円以上」が8・1%、「5千万~1億円未満」が6・9%いるため、
全体の平均額は底上げされて2956万円に。
前年から231万円ほど増加した。
(引用元: https://www.sankei.com/life/news/190616/lif1906160030-n1.html )
2,000万円不足が平均データなので、こちらも平均で比較すると、
貯蓄の平均額は2,956万円だから老後は安心!
ってなるわけはないけど、何かちょっと変な感じなので、
元ネタを見てみました。
それがこちらのPDF生命のページで見ることができます。
2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
自分が気になった点を述べてみたいと思います。
還暦で貯蓄100万円未満はどこまで信用できるか?
① 0.13%に聞いただけ
まず、この調査はインターネット経由で、
全国の昭和34年生まれの男女を対象に実施したもので、
2,000名の有効サンプルを得たということです。
昭和34年生まれは152万人いるそうなので、
聞いた人数はわずかに0.13%程度です。
しかもこの2,000人はどうやって選んだのか?
この辺をちょっと疑問に思いました。
② 貯蓄の定義は?
貯蓄には以下のものが含まれているのでしょうか?
1) 退職金
本調査では59歳時点で就労をしている・していた人が1,426名含まれています。
この人達は退職金をこれからもらうのではないでしょうか?
ちなみに定年退職時の退職金の平均額は、エン転職によれば以下の通りです。
大卒大企業: 2,489万円
高卒大企業: 2,268万円
大卒中小企業: 1,139万円
高卒中小企業: 1,083万円
(出典: https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/40837/ )
要するに、聞いた時点では貯蓄は100万円未満だけど、
1年後に聞いたら貯蓄は2,000万円!なんて人が一定数いるのでは?
ということです。
2) 生命保険満期返戻金
日本人が大好きな生命保険。
私は自慢ではありませんが入っておりません。
しかし、多くの日本人は満期返戻金付きの保険に入っているのでは?
そう考えると、これから60歳過ぎにまとまった金額を受け取る人は多そうです。
この金額は入っていないのでは?
この金額だって数百万円規模にはなりそうですね。
3) 株式・投資信託
調査では
" 全回答者(2,000名)に、現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)
を聞いたところ "
とあります。
ものすごく素朴な疑問なんですけど、貯蓄には株式・投信信託・REIT
なんか入っています?
「金融資産額はいくらですか?」ならば当然入ると思いますが、
貯蓄額という聞き方ですと曖昧です。
聞かれた方で、入れている人と入れていない人にわかれるような気がします。
「貯蓄は100万円もないけど投資信託で〇千万円あります」
そういう人が含まれていないのか気になるとことです。
また、財形貯蓄・持ち株会なんかを入れていない人も一定数いそうです。
4) 普通預金
上記の考え方の亜流ですが、
例えば「普通預金に100万円、定期預金に400万円」ある人が貯蓄額はいくらですか?
と聞かれたら400万円と答えるのではないでしょうか?
要するに「貯蓄は0円だけど普通預金には300万円くらいあるかな?」
なんて人もいるかもしれないという事です。
還暦で不動産・金融資産が100万円未満の実数は?
退職金を貰っても住宅ローンの残債で消える人もいるでしょうが、
持ち家があるだけ良いという考え方もあります。
上記の「還暦で貯蓄100万円未満」という方で、
不動産0円、金融資産0円、全財産はポケットにあるお金〇万円だけ!
という方がどれだけいるのか?
それが、この調査ではわからないのではないのかな~というのが感想です。
まあ、マスコミは不安を煽って正義の味方面するのがお仕事。
踊らされないようにしないとダメですね。
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