2019年10月13日日曜日

「マクロ経済学的に考えると努力は報われない」~ その意味するところは? ~

数学的思考法を身に着けるということ


高橋洋一先生の著書
「正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方」
を読みました。

残念ながら今の日本は「文系バカ」によって牛耳られており、
なんとなく危機を煽られているのではないか?
従って、数学的思考や数理的発想を身につけて、
世の中に蔓延するあいまいさやニセ情報を見抜くべき!
というのが本書の目的とするところです。

会計・経済・統計・確率・予測がそれぞれ独立した章になっており、
特に第4章"安全保障を冷静に正しく考える「確率アタマ」のつくり方"
では無自覚に使われがちな「リスク」の正しい使い方について論じており、
理論的思考法を磨く上では大変参考になりました。

マクロ経済学的に考えると努力は報われない


ただ、個人的に一番印象に残ったのは下記の文章です。

"「努力は報われる」とよく言われる。 ミクロ経済学的に言えば、とてもいい格言である。 しかしマクロ経済学的に言うと「努力は報われない」のである。 大学受験で考えてみる。 個人は「努力は報われる」と信じて勉強する。 努力しなければ合格しないのは真実だから、 個人ベースで言えば「努力は報われる」は真実だ。 しかし、全員が努力したらどうなるか。 入学できる人数は決まっているから、 全員が合格することはありえない。 これがマクロ経済学的に考えるということだ。"  
正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方 -          高橋洋一(著) (p78~p79)
言われてみれば当たり前の話ではありますが、
この事を十分に理解できているかどうかは別の話かと思います。

例えば、サラリーマンの出世競争にも上記理論は当てはまります。
普通の会社では課長にしても部長にしても椅子の数は決まっています。
自分がどんなに営業成績をあげても、
他人がそれ以上の成績をあげればその時点でアウトです。

もっともサラリーマンの場合は大学受験とは異なり、
単純に成績だけで出世が決まるものではありませんが、
出世する人の数は決まっているのも事実だし、
誰かしら皆が嫌がる仕事に回される人がいるのも事実です。

私は意にそぐわない仕事をしたくないのでセミリタイアしたわけですが、
「意にそぐわない仕事」につくリスクを正確に把握していなかった分、
セミリタイアへの準備が遅れたというのは否めませんね。

最近の風潮をみていると、

・努力すれば夢は必ずかなう!

・何やっても無駄!

の両極端の話ばかりで、客観的な成功確率を議論する話が抜けている気がします。

出世して希望の職に就き充実した会社員生活を過ごす確率、
セミリタイアして貧しくとも楽しく過ごす確率、
今思えばどっちの確率が高いかは明白なんですが、
なかなか自分の立ち位置を客観的に見るのは難しいものですね。


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