2019年10月28日月曜日

「早期リタイアに潜む落し穴」とやらが本当か検証する

「早期リタイア」に潜む落し穴?


早期リタイアに警鐘を鳴らす記事は多いですが、
中にはちょっと首をかしげるものもあります。

理想と現実!? 憧れの「早期リタイア」に潜む落とし穴とは

もその一つとなります。

記事では「FIREムーブメント」の広がりを紹介するところからスタートするのですが、
著者の述べる「早期リタイアに潜む落し穴」については少々疑問があります。
項目別にまとめると以下の通りです。

① 過大な資産の見積もり


記事内では長期的視点に立った資金計画の重要性を説く一方、
リタイア後の資金の見積もりを「例のデータ」を持ち出して解説しています。

" 高齢夫婦無職世帯の平均額で見ても、月々の支出は約26万円と試算されており、年間で約300万円、40年で1億2,000万円ほどの資金が必要です。引退後に全く働かないことを前提にすると、さらに多くの資金を用意する必要があるでしょう。"
早期リタイア後に必要な金額は個々人によって異なりますので、
そもそも「平均額」など無意味です。
さらにこの文章では年金受給見込額も併記されていませんので、
あたかも老後に1億2,000万円を貯める必要があるように書かれています。

また、「4%ルール」の解説においても同様の傾向が見て取れます。

" 例えば、年間生活費400万円の25倍である1億円を用意し、それを4%で運用すれば、得られる利益の範囲内で生活できます。"
どうも1億円ありきの数字のような気がしますね。
そもそも毎年400万円も必要なのか?
元本の1億円を握りしめて死ぬのか?
この辺りへの言及はありません。

② 「生活の充実」について


記事ではリタイア後の充実した生活へ警鐘を鳴らすとともに、
仕事については以下のようなご意見を述べられています。

"そもそも仕事というのは、個々人の生活を律しながら、やりがいや他人との交流をもたらしてくれる要素も含んでいます。"
これは順番が逆でしょうね。
やりがいが無くて、他人(特に上司)との交流が煩わしいから早期退職したいのです。
やりがいがあって、素晴らしい人間関係が構築されていれば、
そもそも会社を辞めたいとは思わないでしょうからね...

早期リタイアのハードルを上げる記事には要注意


恐らくこの記事を書かれた方は、早期リタイアをした方でもなく、
また、早期リタイアを希望する方でもないでしょう。
だからなのか、記事全体のトーンが早期リタイアに対して
否定的なニュアンスを感じさせます。

記事の中には、

・早期リタイア後の生活費をいかに抑制するか?
・年金受給額をいくらとみるか?
・早期リタイア後の副業収入は(要はセミリタイア)?

といった視点が欠けているので、
早期リタイアに必要な金額が、
さらっと1億円かのように書かれています。

「1億円も必要なら早期リタイアを考えるのは辞めよう!」
とは、本気で早期リタイアを考えている人は思わないでしょうが、
早期リタイア否定派の記事はこの手の罠が潜んでいるので、
注意して読む必要があるんじゃないかと思いますね。

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